カテゴリー:宗教、民間信仰、俗信
風水とは、文字通りには「風」と「水」という意味だが、通常は、中国で確立された不動産選びや建築土木の設計アドバイス、およびそのマニュアルのことをいう。アジアの一部地域では、現在でも建築設計にあたって風水士がコンサルタントとして活躍しているが、建築の設計士は地震に強い家やモダンデザインの家は設計できても、金の儲かる家や医者いらずの家などはつくれないから、「開運の家を造る」と主張する風水士の出る幕がそこにある。
風水の考え方は西洋にも広がり、その風土に合わせた学説がとなえられている。その説の中には、聞き入れるべき内容がなきにしもあらずだが、そのいかにも占い師然とした伝え方は、寛容な人にも門戸を閉ざさせ、もうちょっとどうにかならんもんかと考えさせる(今年のラッキーカラーは赤だとか、突然言われてもねえ)。
日本にも風水を取りいれた家相学などがあるが、住宅の設計にあたって風水士を起用するほどムダ金のある人はあまりいないので(それでもそんなムダ金のある人々は、風水に基づいて家を造ったりしているようだ)、テレビで風水の専門家が言っていたことを聞きかじってインテリアの模様替えをしたりする「ちょこっと風水」「なんちゃって風水」が主流である。(CAS)