プータロー(風太郎)とは、職業や住所が定まらずぶらぶらしている人のことをいう。終戦直後、横浜の桜木町から野木のあたりに集まった日傭い労働者をさして、風のように現れて風のように姿を消していくところから、いつしか名づけられたものだという。似たような言葉に「フーテン」があり、これは精神の均衡を失っている人を意味する「瘋癲(ふうてん)」が変化したものだとわれるが、いずれも「風来坊」あたりからの連想ではないかと思われる。いまでも、学校を卒業しても就職できなかったり、会社をクビになったりして、定職に就けずにいる人を「プータロー」と呼ぶが、現代のプータローは、住まいはそこそこ充実している場合が多く、「風のようなライフスタイル」という言葉の本来の意味からはやや離れている。しかし、定職に就けずにいることを「どこふく風」とまったく気にせず生きているという点では、「プータロー」という言葉のもつ能天気な響きがマッチしているといえるだろう。(CAS)