ふしだらとは、生活態度に規律がないこと、品行が悪いことをいう。むかしは、次々と不倫相手を変える女を「ふしだらな女」などと言ってののしったものが、現代では、相手に保険金をかけて次々と殺してしまうようなヤツでないとなかなか「ふしだら」あつかいしてもらえない。
「ふしだら」の語源は、サンスクリット語のスートラ(sutra)の音写「修多羅(しゅたら)」に、否定の「不」を付けたもの。「スートラ」は「カーマ・スートラ(古代インドの性愛経典)」などと使われているように経典、聖典のことだが、もとは「糸」という意味。ヤシの葉に金言名句を記した経典を綴じていた糸から来ているという。漢字でタテ糸を意味する「経」が、仏の教えを表す言葉や経典をいうのも、「スートラ」を意訳したからである。スートラではない、ありがたい教えに従わないという意味であれば、われわれはほぼ全員が「ふしだら」である。(CAS)