非業(ひごう)の死の「業(ごう)」は、仏教用語で人間の行為、言葉、精神活動などをさす。仏教では、人間の言動や心のはたらきは前世を含む過去の因縁によって決定づけられていると説くため、一般的に「業」は、「運命」や「先天的な性格(主に悪い性格)」という意味で用いられる。したがって「業」に「非(あら)ず」とする「非業の死」は、前世の因縁によって定まっている出来事ではない不慮の死を意味する。しかし、「非業(ひごう)」などという言い方はとてもおおげさなので、部下の裏切りによって天下統一の道半ばで自害させられた織田信長クラスの死でなければ使用するのははばかられ、われわれ庶民が突然死んでしまっても「あの野郎、ぽっくり逝っちゃった」程度で済まされるがオチである。(CAS)