この辞典の使い方>「ひ」で始まる言葉>悲喜こもごもの意味、語源
カテゴリー:慣用語、擬声語、擬態語
悲喜こもごも(悲喜交交)とは、悲しいことと喜ばしいことにかわるがわる遭遇することをいい、「人生悲喜こもごも」などと用いる。最近では、入学試験の合格者の受験番号が張り出されている会場での、合格者と不合格者の喜びと悲しみが入り交じるありさまを「合否を確認しに来た受験生たちの悲喜こもごも」などと表現するが、これは誤用だとされている。しかし、「こもごも」は「此(こ)も此も」つまり「これもこれも(これもそれも)」から来ており、「互いに」「各々(おのおの)」「それぞれ」という意味で、「こもごも意見を述べる」などとも用いられるので、「悲しい人、うれしい人それぞれである」という「悲喜こもごも」の使い方も必ずしも間違いであるとはいえないような気もする。「有力者の葬儀に参列した人々の悲喜こもごも」「友人の結婚式に招かれた女性たちの悲喜こもごも」などと使えば、なかなか含蓄のある言い方になりそうである。(CAS)