はかが行く(捗が行く)とは、仕事などの進み方が早くなる、効率がよくなるという意味で、自分では仕切っているつもりで部下の仕事にいちいち首をつっこんでうるさく口出しする上司が、「オレがいないから心配だが」などと言い残して病欠し、残された部下たちがのびのび仕事に取り組んでいるといった状況をさしていう。「はかどる(捗る)」も同じ意味。
「はかが行く」の「はか(捗、計、量)」は、古くは米などの収穫予想量を言い、そこから、物の量や大きさを数値化する「計る、測る」や、計画を立てるという意味の「図る」なども生まれた。また、「米の収穫(はか)」が「無い」と、この世の中は生きている価値もない「はかない」世の中だと感じ、いっそ死んでしまいたいと世を「はかなむ(消えてしまいたいと思う)」という、毎日「死にたい、死にたい」といっている源氏物語の登場人物のような精神状態に陥るのである。(CAS)