カテゴリー:住文化、建築、インテリア、製品、日用品
暖簾とは、飲食店の店先や、住宅の部屋の入口などにかけ、建物の内と外、部屋の内と外を仕切ったような気分にさせる短い布。
暖簾にはこの「仕切ったみたいな」という機能の他、店の看板やサインの役割があり、蕎麦屋などで屋号を記した暖簾が表に下がっているときは「営業中」を表している。また、飲食店の暖簾は和風料理を暗示しており、中国料理店でも暖簾を下げている店では、とんかつやソース焼きそばなどといった日本にしかないヘンなメニューを出している場合が多い。
中国で用いられていた暖簾は、その「暖」かい「簾(すだれ)」という漢字が意味するように防寒用の幕で、西洋のカーテンのルーツと似ているが、日本に輸入されると、おなじみの勝手な作りかえが行われて本来の機能はまったく失われたものの、これもまた日本的ないい加減さで名前はそのまま残されて現在に至っている。(CAS)