念が残るとは、思いや気持ちがある時点や場所から離れないで留まるという意味で、きっぱりと思い切ることができない気持ちを言い表した言葉である。特に、死んで肉体は滅びても、思い残すことがあって精神だけだがこの世にとどまっている状態をいう場合が多い。この世に念が残ったまま死んだ人の魂が視覚化されたものを幽霊という。あなたの近辺をうろついている幽霊にあの世にお帰り願うには、その人の念を晴らしてやればよいのだが、幽霊というものは「カウンセリングを受けなさい」などと勧めても、なかなか素直に従うようなヤツらではないし、万一その「残っている念」の対象があなただったりしたら、(よい思いであるにせよ、悪い思いであるにせよ)えらい目に会うので、気軽に声をかけるのもためらわれるところではある。(CAS)