無い袖は振れぬ(無い袖は振れない)の「袖(そで)」は、日本の着物で、腕を包んでいる部分をその下のたもと(膨らんでいるところ)も含めていう言葉。昔はたもとの中に小銭を入れていたので、「無い袖は振れぬ」とは、食事をおごってくれとたかりにきたあなたの友人に対して、ことわる際に「小銭もないのにおごれるわけないだろう」という意味あいで用いる。ある落語家が後輩の落語家から食事をおごってくれと頼まれて「無い袖は振れない」とことわると、その後輩が「おれが貸すからおごってくれ」と言ったというのは有名な話。(CAS)