カテゴリー:宗教、民間信仰、俗信
鳥居とは、神社の敷地の入口に設けられた大きな門状の建造物。古く、神に供えたニワトリの止まり木であったことから「鳥が居るところ」「鳥居」というようになったのだといい、東南アジアには神聖な地域を示す鳥の止まり木状の建造物が散見されるという。鳥居は、神の領域と俗の領域を仕切る門であるが、門扉があるわけでも周囲に壁や塀があるわけでもなく、物理的な「門」の役割を果たしていない。にもかかわらず、多くの神社が荒廃もせずに成立していたというのは、襖や障子のようにほとんど仕切りの役割を果たしていない建具と類似の心性を感じることができる。
しばらく前まで日本では、男が街中で立ち小便をする姿が当たり前のように見られたが、そのさい、「立ち小便禁止」のマークとして鳥居の形が用いられた。鳥居に小便をかけるなんてバチ当たりだというところから採用されたもののようだが、酔っぱらいはそんなマークには気づかず、逆に「みんなが小便をするところ」というマークだと心得る不届き者も多かった(その認識は正しいのだが……)。確かに鳥居に小便をかけるようなヤツはバチ当たりには違いないが、それを小便禁止のマークとして使用する方もかなりなバチ当たりだと思うがいかがなものであろうか。(CAS)