土用丑の日とは、夏の土用の期間中の丑(うし)の日のことをいい、この日にウナギを食べることが勧められている。夏の土用は一年中で最も暑い期間であり、古くから卵やしじみなどといった栄養価の高いスタミナ食を食べることが推奨されていた。その中でもウナギがクローズアップされるようになったのは、江戸時代のマルチタレント平賀源内(1728〜1779)が、鰻屋に頼まれて「土用丑の日に鰻を食べて夏バテ知らず」みたいなコピーで宣伝し、大流行したからだという。「うしの日」というくらいだから「牛」を食べればよさそうなものだが、江戸時代には牛肉を食べる習慣はなく、代わりにウナギがその大役を担うことになり、いまや世界中のウナギを日本人が食い尽くして、絶滅危惧種にまで指定される種類まで出る始末である。(CAS)