手当て、手当

てあて

 手当(手当て)とは、病気やけがの処置をすることをいう。「手を当てる」というと、手の平を人や物の表面に当てる(触れる)ことを言うが、新興宗教の教祖でもあるまいし、医者が病人やけが人に「手を当てて」いるだけだったら、病人も周囲の人々も怒り出すに決まっているので、ここでいう「手当て」は人手やお金を割り振って(当てて)ものごとを処理することだと考える方がよろしいようである。

 というわけで「手当て」は、前もって準備しておくことや労働に対する報酬という意味でも用いられる。この場合も「今月の手当てだ」と言って経営者が従業員の肩に手を置いているだけだったら、従業員は「ふざけんじゃねえ」と怒り心頭に発するに決まっていて、やはり「手当て」は「手を当てる」ことだとは考えないほうがよいのである。(CAS)

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