ったくとは、「まったく」の「ま」を略した言葉で、「本当に」「マジで(本気で)」という意味を強調した言い方。「ったくもう、なんだっつーの(本当にもう、何が言いたいのですか)」「ったく、やんなる(マジでいやになる)」などと用いる。日本語では本来、促音を表す小さい「っ」から始まる表記のしかたはないが、「ったく」は話し言葉の調子をそのまま書き言葉で表現したものである。話すときは、「まったく」というつもりで、「ま」を発音せず、そのまま「ったく」と続ける。つまり、「まっ(1)たく(2)」という2拍子の1拍目を休んで(ただ休むのではなく、「まっ」というつもりで休んで)2拍目から入るアフタービート(オフビート)の発声となる。このようなアフタービート発声の言葉には、他に「ってか(というのか)」「ったらまあ(といったらおそらく)」などがあり、ちゃんと話すには多少の練習が必要である。(CAS)