頂戴という漢字が意味するのは、身分の高い人から物をもらったときに頭の上にささげて感謝するありさまであり、そこから「頂戴(ちょうだい)」は、ものをもらうこと、食べることを、あるいは「〜がほしい」「〜を売ってほしい」という意思を、へりくだって(自分を身分の低い位置において)いう言い方として通用している。もっとも日常生活においては、居酒屋で中高年のくたびれた客が「煮込みと酢だこ頂戴」などと偉そうに店員に指図するとか、手癖の悪いやつが人のカバンから無断で財布を「頂戴する」など、ちっともへりくだっていない場面で多く用いられている。(CAS)