知の迷宮の「迷宮」は、内部が迷路のように造られた建物のこと。「知の迷宮」とは、主に文学系の学問分野において、範囲が広く、研究課題が多岐に渡り、謎だらけで、未踏の地も多く残されているという、研究にとりかかるとまるで迷路にまぎれこんでしまったような感覚を味わうことになる分野を例えていった言葉。このような研究分野はもともと体系化するあてもないとっちらかった分野である場合が多く、「知の迷宮」などと気どった言い方をすると、権力者が財力にまかせて作った巨大迷路のようなゴージャスな建築物を想像するが、むしろ、捨てられないものが山となって積み重なり、足の踏み場もなく、出口どころか歩くのも困難という小さなゴミ屋敷をイメージしたほうが適切である。(CAS)