チビる(禿びる)とは、すりへって角がとれ丸く小さくなるという意味の「禿ぶ(ちぶ)」の口語的表現だが、もとは小さいものを意味する「粒(つび)」から来た言葉。そこから背が小さいこと、背が小さい人、子どもなどを意味する「ちび」という言い方が生まれ、さらに「小さくなること」という意味の「チビる」が発生したと考えられる。その「小さい」という点が取りあげられて「ちょっとだけ何かをする」という俗語的な表現となり、いまでは「小便をチビる」つまり「ちょっとだけ小便を漏らす」という言い方が「チビる」の用例としては最もポピュラーになっている。「禿ぶ」は「毛が抜けて頭が丸くハゲる」という意味もあり、ここに「チビ」で「ハゲ」というオヤジいじめの二大要素が奇しくもそろったわけだが、ご丁寧にもそこに「小便をチビる」という老化の典型的症状が加わるのである。(CAS)