雪月花とは、むかしの日本において、季節の風景を楽しむための舞台装置ランキングのベストスリー。唐の詩人・白居易が自身の詩の中で発表し、白居易ファンの多い平安貴族が受け入れて、その後長らく日本美の基準となった。「花」は日本では「桜」のことであり春、「雪」はもちろん冬、「月」はいつでも出ているが特に秋の月が観賞の対象となる。
雪見、月見、花見とそれぞれ名称があるように日本は、雪、月、花を観賞しながら酒を飲み、和歌や俳句を作ったりするのが、金持ちの暇人の風流なたしなみだった。現在でも花見は盛んだが、江戸時代に庶民の楽しみとなってからは酒を飲んでばかさわぎするための場となり風流とはほど遠く、雪は観賞して楽しむには寒すぎるし、月の出るころには地上は誘惑場所にあふれているので、遊び相手としては影が薄くなっている。(CAS)