せめてとは、ベストの結果が得られないのはわかっているが、少なくともベターな結果はほしいという希望を表現した言葉であり、「優勝は無理でも、せめて3位には入ってくれ」「気の利いたコメントが言えないのはわかっているから、せめて原稿くらいちゃんと読めよ」「物覚えが悪いのは親譲りでしかたないとはいえ、せめて赤点は免れてくれ」などと用い、応用範囲の広い言葉である。
「せめて」の語源は「攻めて、迫めて」であり、高望みはしないが可能なかぎり攻撃し、能力の限界まで迫れという、現実的で奥ゆかしい日本的心情を表現した言葉である。(CAS)