スローフードとは、ファストフードを目の敵にして、そのアンチテーゼとして提唱された食品、または食生活の思想。イタリア発祥。
スローフードの信奉者に「食の危機」などと言いたいことを言われているファストフード側には同情を禁じ得ないが、「半完成品だから手早く調理され愛情のこもった料理とは言い難い」、「仕事や遊びの最中に手早く食べられる点が特徴で家族団らんの豊かな食卓には適さない」、「栄養バランスが悪く、カロリー・脂肪分・塩分が高い」、「オーガニックとは言えず食品添加物の使用量が多い」、「たっぷりの肉、糖分、調味料で無知な子どもを誘惑する」等々、世間の悪評を聞かされると、スローフード側の言い分もわからないでもない。
日本でも伝統的な食材や料理が見直されているが、日本の伝統的料理は全般的にさっさと作れてとっとと食べてしまえるものが多いし、大勢で談笑しながら一時間以上もかけて食事するという伝統もないので、「スロー」という言葉にはいまいちなじめない。短時間で少量の栄養価の高いものを食べるという習慣が健康維持につながっているともいえるので、「ショートフード」とでも言ったほうがよいよいに思われる。(CAS)