ずぶの素人とは、まったくのアマチュアという意味で、囲碁の対局を観戦して五目並べだと思っているようなヤツのことをいう。「ずぶ」は「ずぶ濡れ」などと同じで、「全く」「完全に」といった意味。もとは「つぶ(粒)」で、球形や円形の小さな物のこと。丸い形は欠けたところや足りないところがないので「完全」や「全体」をも意味し、そこから「つぶさに(落ち度がないように詳細まで完全に)調べる」といった言葉も生まれている。「つぶ」が「づぶ」と変化したのが「ずぶ」で、「ずぶの素人」は要するに「まったく非の打ち所がない、正真正銘の完璧なる素人」という、日々の戦いに心をくだいているプロがうらやむ幸せな人のことである。(CAS)