カテゴリー:慣用語、擬声語、擬態語
尻切れとんぼとは、ものごとが最後まで続かず中途半端な状態をいう。たとえば、「禁煙」という行為の全体像のことである。または、あまりに視聴率が低くて打ち切りになった連続ドラマの結末である。
尻切れとんぼの語源は、交尾のしすぎで(かどうか知らないが)お尻が切れてしまったとんぼ、と考えればわかりやすいが、かかとのない短い草履(ぞうり)を「とんぼぞうり」または「とんぼ」と言ったからという説がある。ただ、古語辞典には「しりきれ」として「尻切れ草履のこと」とあり、「とんぼ(とんばう)」には尻切れ草履の意味はないので、「尻切れ草履」の「尻切れ」から「尻切れとんぼ」という言葉が生まれ(「尻切れとんぼ」が先にあったのかもしれないが)、そののち「尻切れ草履」のことを「とんぼぞうり」または「とんぼ」と呼ぶようになったと考える方が自然なような気がする(ちなみに、現代語の辞典にも、しりきれ草履の意味としての「とんぼ」または「とんぼぞうり」という語は載っていないので、「とんぼぞうり」という言い方がほんとうにあるのかどうかもよくわからない)。つまり、「尻切れとんぼ」は「交尾のしすぎで(別にそのせいでなくてもいいが)尻が切れてしまったとんぼ」という直接的な語源と考えてよろしいのではないだろうか(注:深く追究はしていません。反証となるデータがあればお知らせください)。(CAS)