地獄を見るとは、地獄のような悲惨な体験をするという意味。文字通り地獄を「見る」すなわち「見物する」だけであれば、罪人いじめのテーマパークのような地獄の見物は、恐いもの見たさのワクワクする体験であるはずで、退屈な天国の住人にとっては数少ない娯楽となるに違いないが、「見る」には、「馬鹿を見る」「痛い目を見る」のように、自分にとって好ましくないことを経験するという意味があり、「地獄を見る」も「地獄を体験する」すなわち「この世の中で地獄のような体験を味わう」意味だと考えるべきで、「地獄見物」などと悠長なことを言っている場合ではなく、ヤバそうな人に「一度、地獄を見せたろか?」などと尋ねられたときは、地獄観光のお誘いかと喜んでいてはだめで、すぐにその場から逃走しなければならない。(CAS)