カテゴリー:擬声語、擬態語、副詞、感動詞、接頭語、接尾語
しまった(仕舞った)とは、失敗をやらかしてしまったときに思わず口から出る感動詞。何かことをやり終えるという意味の「しまう(仕舞う)」の連用形に過去を表す助詞「た」がついたもの。つまり、「(失敗を)やってしまった!」ということ。ことがうまく運んだときの感動詞「しめた!」と似たような響きだが、「しめた」はものを占有するという意味の「占める」から来ているので、「仕舞った」とは語源が違う。また、何か行動をするという意味の「やる(遣る)」の過去形「やった!」は、「仕舞った」と同様、行動を起こした結果を引き受けて口から出る言葉であるが、「やった」の方はものごとがうまくいった場合に用い、意味あいとしては「しめた」に近い。「やる(遣る)」は「人を使いにやる」とも言うように、こちらからあちらへ人やものを能動的に移動させるという意味がある。つまり、能動的、積極的に行動した結果、思った通りになったというニュアンスがある。一方「しまう(仕舞う)」は、行動が完結してしまって、とりかえしがつかないというニュアンスを含んでいる。会社に大損失をもたらすようなミスをおかしてしまったとき、似たような語源だからといって「やった!」などと叫ぶと、「おまえは会社がつぶれてうれしいのか」とつっこまれることになり、さらに、同じような言葉の響きだからと「しめた!」などというと、「おまえは競合相手のスパイか」と疑われることになるので、くれぐれも言葉づかいには注意したい。(CAS)