しかつめらしいは、まじめくさっている、堅苦しい、もったいぶっているといった意味の形容詞。「しかつべらしい」の「べ」が「め」に変化したもので、「鹿爪らしい」と書くこともあるがこれは当て字。鹿の爪とはなんの関係もなく、「然りつべくあらし」=「しか ありつべく あるらし」つまり「そのようにあるべきであるようにあるようだ」という、ややこしい古語からきている。いまふうに言えば、「いかにもって感じ?」というところだろうか。
「しかつめらしい」は、不機嫌そうに眉間などにしわをよせるという意味の「しかめる」と音が似ているので混同しやすいが、「しかめる」は、縮こまるという意味の「しじかむ」からきており、語源が違う。「しかつめらしい顔」と「しかめ面」は、表情としては似ているが、「しかつめらしい顔」はその人物が役者のお偉いさんか何かで「いかにもって感じ」の偉そうな顔をしているのであり、「しかめ面」はあなたがセクハラをしたかなにかで相手が不愉快な感情を抱いているのであって、表情を読み違えないようにしていただきたい。(CAS)