交番とは、日本の警察に独特の制度で、駅前や市街地など随所に配置され、警察官が交代で24時間勤務をすることがタテマエとなっている小規模な施設。つまり、セキュリティサービスのコンビニエンスストア。コンビニであることの証左に、交番では付近の道案内も受け付けていて、日本人は誰でも気軽に警官に道を尋ねている。財布を紛失した人のために帰りの電車賃を渡してくれる交番もあり、福祉サービスも兼ねたコンビニであるといえる。
日本人の交番に対する信頼は厚く、市民は落とし物を安心してそこに届け出る。交番の警官に信用がなければ、どうせ着服されるのだろうからと、落とし物を正直に届ける人などいなくなるだろう。
近年、人手不足あるいは業務効率化の折りからか、無人の交番が増えているのは残念なことである。交番で退屈そうにしている警察官の姿が平和の象徴でもあるのだが……。(CAS)