ごめんなさい(御免なさい)は、日本語の謝罪やおわびの言葉。「御免」は相手が正式な許可や認可を下すことを敬った言い方、「なさい」は「してください」の意味で、「ごめんなさい」は、自分の罪を認めて相手に許しを乞う謝罪の言葉である。「すみません」も謝罪の言葉として使われるが、こちらは「終わらない」という意味で、「いくら謝罪しても謝罪しきれない」という意志を伝えているつもりであるが、具体的に何と示していないので、「ごめんなさい」よりやや弱くあいまいな謝罪となる。
「ごめんなさい」は、英語では“I’m sorry”に当たると考えられる。日本人は、海外の人が安易には謝罪の言葉を述べないと教えられるが、“I’m sorry”または“sorry”は日常生活で人と身体が触れた程度でも気安く用いられ、日本人が「ごめんなさい」とか「すみません」というより頻繁に口にするようである。しかし、よくよくこの言葉を考えてみると、「私は気の毒に思う」と言っているだけで、「お父さんがお亡くなりになってお気の毒に」などとも用いられるように、決して自分が悪いと認めているわけではない。さらに、もう少し正式な謝罪の言葉に“I apologize”があるが、これとて“apologize”は、もとは古代ギリシャ語で、あの有名な「ソクラテスの弁明(Apology of Socrates)」にも用いられているように「弁明する」という意味。したがって“I apologize”は本来は「弁明します」ということで、確かに“sorry”よりは自分の非を多少は認めた上での言葉には違いないが、やはり「許してくれ」と言っているわけではない。英語民族に関しては、どこまでいっても「自分の非は認めない」というゴーマンな態度は崩していないようである。日本語の「ごめんなさい」の意味を反映した訳は“Please forgive me(お許しください)”になるが、さすがにこの言葉はよほどの場面(いまにもピストルで撃たれそうとか)でないと口から出てこないようである。(“sorry”も、日常でちょっとした失礼をしてしまった場合には大いに使うべきだが、もめごとが訴訟に発展しそうな場面では、相手方が言葉尻をとらえてつけあがる危険性があるので、やはり使用しない方がよい)(CAS)