捲土重来とは、(軍隊が)土を巻き上げる(=捲)勢いで再度来襲する、という意味で、一度敗れたものが勢いを盛り返すことを表す四字熟語である。出典は、中国・晩唐の詩人・杜牧(とぼく)の七言絶句『題烏江亭(烏江亭に題す)』。この詩は、秦(前221〜207)末期、劉邦(りゅうほう)との戦いに敗れた項羽(こうう)が、故郷に敗走することを拒んで最期まで抵抗、自刃したという話を忍んでうたったもので、「戦の勝敗は専門家でも予測不可能であるから、恥を忍んで逃げ帰り、故郷で才能のある人材を集めて力をためれば、再び土を巻き上げる勢いで来襲すれば結末はどうなったかわからない」という内容。つまり、故郷に敗走することを拒んだ項羽に「捲土重来すればよかったのに、残念だったね」と嘆く詩である。
この言葉の使用例としては、スポーツの試合で敗れた選手が、「一杯塗地の結果となりましたが、心機一転、臥薪嘗胆して捲土重来を期します」などと言えば、何を言いたいのかよくわからないが、何かやらかしそうだという気配は濃厚に漂わせることができる(CAS)