健闘とは、頑張って闘うことをいうが、主に頑張って闘ったが負けてしまったヤツについて「健闘むなしく敗れ去った」などと用いることが多い。したがって、スポーツの試合の壮行会で「○○さんの健闘を祈る」と選手を励ましている連中は、「ほんとうは『優勝しろ』と言いたいところだが、絶対ムリなので、せいぜい頑張って恥ずかしくない試合をしろよ」といった程度の気分で言っているのである。
ところで「われわれは健闘を誓った」と書くつもりでキーボードに「けんとう」と打つと、「検討」「見当」「拳闘」などの候補が挙がってくる。「検討」を選ぶと、われわれは闘わずに考え込んでしまい、「見当」を選ぶと、われわれは当てずっぽうで戦いに臨むことになり、「拳闘」とすると、ボクシングの試合しかできなくなるので、言葉選びには注意しなければならない。(CAS)