ケチャップとは、ウスターソース、マヨネーズと並ぶ、日本の洋食を支える重要な調味料のひとつ。有力なパトロンはオムライスとスパゲティ・ナポリタンである。
ケチャップの語源は不明だが、17世紀ごろ東洋から西洋に伝えられたもので、もとは南中国や東南アジアで使われていた魚醤のことらしい。ヨーロッパでも初期のケチャップは、魚介類、果物、野菜、マッシュルームなどを塩で調理した調味料の総称であった。現在のトマトベースのケチャップは、アメリカ・ハインツ社の創業者が瓶詰めの調味料にケチャップと名付けて大量販売に成功し、20世紀に全世界的に広まったもの。つまり、現在のケチャップは昔のケチャップとは似ても似つかぬもので、味覚の発達していないアメリカ人が一儲けをたくらんで量産用に作った子どもだましの調味料が、スーパーマーケットで入手できるという手軽さも手伝って世界中に蔓延したものといえよう。(CAS)