草木も眠る丑三つ時とは、草や木も眠るほどの真夜中(午前3時頃)という意味で、幽霊や妖怪の出勤時間とされ、講談や落語などの語り芸において、お茶目な仲間達が登場する時間帯を表現する決まり文句となっている。ちなみに「草木も眠る丑三つ時」には「屋の棟も三寸下がり」つまり「家も眠っているので屋根が9センチほど下がり」、「いずくで打ち出しますやら遠寺の鐘が陰に籠もってものすごく」つまり「どこで打っているのか遠くの寺で打つ鐘の音が陰気に響きわたり(そんな真夜中に鐘を打つ寺もなかろうと思うが)」などといった決まり文句が添えられる。幽霊や妖怪もよほど環境が整わないと、なかなか登場しづらいようである。(CAS)