この辞典の使い方「き」で始まる言葉>起承転結の意味

カテゴリー:四字熟語

カテゴリー:文学、出版

起承転結

きしょうてんけつ

 起承転結とは、本来は四行の漢詩、すなわち「絶句」の配列の仕方を説明した四字熟語で、第一句:起句 起こす、始める部分、第二句:承句 承(う)ける、第一句に応じる部分、第三句:転 転じる、意外な展開をみせたり、変化をつけたりする部分、第四句:結 結ぶ、最終的な結末をつける部分、という組立をいう。この展開の仕方が他のジャンルにも応用できそうだというので、文学や演劇などのストーリー構成、あるいは演説や企画書の組み立てとして「起承転結を意識せよ」などと指導される。特に、マンガの1ジャンルである4コママンガは、ちょうど4シーンでなりたっているのをいいことに、手引書には必ずこの「起承転結」がなんの反省もなく掲げられている。しかし、4コママンガというのは(日本のものは特に)、日本の伝統芸能である落語やオー・ヘンリーのショートストーリーなどと同様、最後を「オチ」で締めるものであり、どうこじつけて解説してみても、最後が「転」の内容なのである(日本式4コママンガの構成を四字熟語にするなら、3番目に「展開する」「発展する」の「展」を入れ、最後はゴロのいい「落」にして、「起承展落」とでも言ったらどうかと思う)。もっとも、マンガの学校や教科書では、教える方もたいして本気にしないで教えているし、教えられた生徒も生徒で「起承転結」の意味も理解せずに、従来のスタイルにのっとってマンガを描いているので、「ムダ」ではあるけれども、「害」にはならない言葉だとはいえる。(CAS)

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