吸血鬼とは、西欧の民話に登場する怪物で、人の生き血を吸い、吸った相手も吸血鬼会の会員にしてしまうという恐ろしい特技を持ち、一説には吸血コウモリの擬人化ともされている。人の血を吸うという特技があれば、(蚊のようによほど小さくなければ)、誰でも吸血鬼を名乗る資格があるが、中でもアイルランドの作家ブラム・ストーカーの小説『ドラキュラ』に登場するドラキュラ伯爵が有名で、吸血鬼の代名詞ともされている。
吸血鬼は、欧米ではなぜか怪奇映画界のアイドルであり、困ったときの吸血鬼頼みのような現象が見られる。日本でも小説やマンガを通して紹介され、吸血鬼やドラキュラ伯爵の知名度は高いが、欧米ほどの吸血鬼愛はなく、関連の映画やドラマが紹介されても人々の反応は醒めている。恐ろしい怪物の割には弱点が多く、人間によって制御可能であり、キリスト教や西欧の生活習慣などに根ざしたキャラであるところなどにいまいち面白みを感じられないのかもしれない。(CAS)
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