ハサミなど鋭利な刃物で紙などを分断することを「切る」というが、「切れる」とは、そのハサミを自分ではなくどこかのだれかが持っていて、自分の意志とはかかわりなくものや事柄が分断されることを意味する。
最近「キレる」というと、「堪忍袋の緒が切れる」というように忍耐の糸が切れたり、ストレスをためている(我慢している)袋の綴じ紐が切れたりして、つのりにつのっていた怒りが一気に爆発する状況を言い表すことが多い。この忍耐の糸を切るのは自分ではなく、「なんでこんな遅くまで残っているんだ。仕事は効率よくこなせよ」などという上司のひとことがハサミとなって切るので、受け身の「切れる、キレる」が用いられるのである。(CAS)