切り捨て御免(切捨て御免)とは、「斬り殺しちゃってごめんね」という意味ではなく、身分の低い者であれば刀で斬り殺しても罪に問われないという、江戸時代の武士に与えられた特権のこと。要するに、どこかのスパイのような「殺しのライセンス」である。しかし、相手の身分が低ければどんな状況でも斬り殺してよいというわけではもちろんなく、相手を斬るか斬らないかは武家社会の常識の範囲内で裁定された。例えば、刀の切れ味を試したいので通行人をちょっと斬ってみる、といったような行為は、刀の切れ味が悪くて相手を傷つけられず、恥をかいて自分が傷ついただけでも、「辻斬り」と呼ばれて罰せられた。(CAS)