切っても切れないとは、切ろうとしても切れないという意味だが、100円均一ショップで買ったハサミのことではなく、人間や組織同士の強い絆を言い表す言葉である。しかし、「切っても」あるいは「切ろうとしても」と言っているくらいだから、出来の悪い息子と親の縁のように、タテマエとしては切るべきなのだろうが、人情として切れない(あるいは逆で、ホンネは切りたいけれど、世間へのタテマエとして切れない)関係についていわれることが多い。悪徳商人越後屋と悪代官との関係は、「切りたい」とは夢にも思っていないので、「切っても切れない」とは言い難い。(CAS)