臥薪嘗胆とは、たきぎ(薪)の上に寝て、苦い肝(きも)をなめるということだが、目的達成のために自らをふるいたたせながら長い苦労を耐え忍ぶたとえとして、現在でもわりあい使われている四字熟語である。出典は、中国春秋時代(前770〜前403)の呉王闔閭(こうりょ)と、越王勾践(こうせん)の逸話で、闔閭は父王の敵を討つためにたきぎの上に寝る、つまり「臥薪」の痛みで屈辱を忘れず、闔閭に敗れた勾践は肝をなめる、つまり「嘗胆」の苦味で復讐心を燃やし続けたという話によるもの。自らを鼓舞する彼らの気持ちもわからないではないが、今後仇討ちや復讐をお考えの方は、どうせやるなら、武術や射撃のハードワークをおのれに課すとか、生卵を毎日5個飲むといった、ムダのないモチベーションの保ち方をこころがけてほしいと願う。(CAS)