カラス(烏、鴉)とは、人間を見下している態度が見え見えの黒い鳥(確かにカラスより頭のわるいヤツはそこそこいるけれども)。実際にカラスは知能の発達した鳥であり、見た目のかわいげのなさや真っ黒い不吉なイメージ、さらにゴミを荒らしたり、農作物を盗んだりという生態など、いいところはひとつもないにもかかわらず、大量捕獲、虐殺もされず人間社会の中生き抜いてきたのは、人間とそこそこ距離をとりつつ、ずるがしこく立ち回ってきたからではないかと思われる(もちろん、食べてもうまくないという理由も大きいだろう)。
日本語の「からす」は、「かあかあ(現代の鳴き声)」という鳴き声から来たとも、「黒し(くろし)」が転じたとも、さまざま説がある。漢字の「烏」は、真っ黒で目の位置がはっきりわからないところから、「鳥(とり)」の形の目の部分を取ったもの。「鴉」の「牙(きば)」は、くちばしの形から来ているようである。(CAS)