完璧とは、傷のない(完)宝石(璧)という意味で、欠点がまったくないことをいう。つまり、私から見た私の仕事ぶりのことである。同じものを他人が見れば、「杜撰(ずさん)」「テキトー」「いいかげん」などという評価が与えられることになる。
二つの優れたものという意味の「双璧(そうへき)」も「璧」という漢字を使用しており、こちらは「双壁」つまり「壁(かべ)」と書き間違えやすいが、「完璧」のほうは「完壁(読みにくいかもしれませんが、カベです)」と間違えることはあまりなく、「仕事を終えて一服している左官職人のこと」というせっかくの当辞典流の定義も無用というものである。(CAS)