かぐや姫とは、平安時代に成立した日本最古の文章化された物語『竹取物語』の主人公で、月の住人であるとされているから、つまりは宇宙人。『竹取物語』は、かぐや姫のネームバリューがあまりに高いので『かぐや姫の物語』とも呼ばれ、現代でも『かぐや姫』というタイトルでアニメや映画などで盛んに取りあげられている。
『竹取物語』は、竹を伐採して生計を立てているおじいさん(さお竹売りかなにかであろう)に切った竹の中から発見され、年寄り夫婦の手で大事に育てられた月の住人かぐや姫が、言い寄ってくる5人の貴族のぼんぼんに無理難題をふっかけて退けるというモテモテぶりを発揮したのち、月からの迎えの使者に連れられて帰っていく、平安時代版の『ET』さながらの物語である。
「かぐや姫」の「かぐや」は、「かぎろひ」すなわち「かげろう(陽炎)」や「かがよひ」(炎のようにゆらゆらと輝く、きらめくという意味)などと同根の言葉。「かぐや姫」は辞書では「輝くように美しいお姫様」と解説されるが、「かぎろひ」がもとは炎を意味し、「かがよひ」も炎のゆらめきであるように、「かぐや」も『未知との遭遇』のような強い光線ではなく、炎のようにゆらゆらと燃え立つ光のイメージかと思われ、したがって「かぐや姫」も、いまでいうなら陽炎が萌え立つ「萌え〜っ姫」みたいな印象の女の子ではないかと考えられる。(CAS)