おめでたい

おめでたい

 おめでたいとは、大変喜ばしい、大いにほめたたえたい、という歓喜や祝福の気持ちを表す「めでたい」に、言葉を丁寧にする「お(御)」をつけた言葉。歓喜や祝福の言葉を丁寧に言うのだから、最上級の喜びや賞賛の言葉のように思えるが、「お」をつけることで逆に皮肉の意味が加味されるようで、いい話を聞いて「それはめでたい話だ」だと問題ないが、「それはおめでたい話だ」というとばかにしているように聞こえる。なぜそうなるかというと、おそらく「めでたい」が自分の率直な気持ちであるのに対して、「お」をつけることにより「めでたい」気持ちが自分のものではなくなり、相手や他人(日本では、他人は自分より尊敬すべきものであるというマナーや言葉のシステムが確立しているから)がめでたがっていることを言い表すようになるからかと思われる。他人が無邪気にめでたがっている姿というようなものは、だれしも素直に喜べないものである。そこから「おめでたい」は、年がら年中嬉しいことがあったみたいににこにこしている人物について「おめでたいヤツだ」と、さげすんでいう場合にもしばしば用いられる。

 相手がめでたがって喜んでいるのを素直に祝福したい場合は、「おめでたいですね」ではなく、「おめでとうございます」つまり「あなたはめでたい状態にありますね」とさらに客観性を強くし、敬語を重ねることにより、冷静に相手の「めでたさ」を受け止め、自分もそこそこ喜んでいるという気分を漂わせることが必要なのである。(CAS)

おめでたい ついでにこんな言葉もチェックすべし

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