おかめそばとは、各種トッピングの具材を並べて「おかめ」という太り気味の日本女性の仮面の顔だちを描き出したソバ。一説には、「傍目八目(おかめはちもく:囲碁の勝負で客観的な立場の傍観者の方が対戦している本人より先を読めるということ)」のしゃれでトッピングが8種類のソバだともいわれる。おかめ蕎麦は幕末に上野七軒町にあった太田屋というソバ屋が始めたという情報があり(『蕎麦辞典』植原路郎著/東京堂出版)、それによると「岡場所」のひとつであった根津の遊郭に近いことと女性の顔であることをかけて「おかめ」としたというから、女性の「おかめ」説が正しいらしいが、「傍目八目」も後付けにしてはできすぎの解釈で捨てがたい。そこで用心深いソバ屋では、8種類の具材でおかめの面を表現しており(下図を見よ)、小うるさいソバ通の客の追及をかわしている。(CAS)