縁起をかつぐの「縁起」は、ものごとの吉凶の前兆をいう。「かつぐ(担ぐ)」は、ものを肩に乗せるということだが、手で持つには重すぎたり、大きすぎたりする荷物を運ぶとき肩にかつぐ場合の「かつぐ」をいうことが多い。そのため、「縁起をかつぐ」という言い方は、「縁起」がまるで重い荷物のように精神に重圧をかけている、つまりものごとの吉凶にとらわれている、縁起のよい悪いを必要以上に気にするという意味で言われる。受験生が試験の前日に、「試験に勝つ」ために「カツ丼」を食べるといった習慣は、縁起をかつぐ行為の代表的なものだが、このように実際の縁起かつぎは、「かつぐ」というほど重々しくなく、単なる気休めのような行為である場合が多い(本人にしてみれば、よほど重いものをかついだつもりかもしれないが)。(CAS)