縁もゆかりもないの「縁」は、ものごとの原因や発祥やきっかけのこと、またそれらと結果や現状との関係性、つながりのことをいい、「ゆかり(所縁)」も似たような意味。つまり「縁もゆかりもない」は、類義語を重ねることで、「縁」や「ゆかり」をめいっぱい否定した言葉である。例えば、「当寺は弘法大師が創建されました」などとふざけたことを言っている田舎の寺の坊主に、「おたくの寺と弘法大師は縁がないと思いますよ」などと冷静に諭していたのではなまぬるいので、「おたくと弘法大師には縁もゆかりもない」ときつく言い聞かせてやる場合に用いるのである。(CAS)