陰陽とは、かげとひなたというほどの意味だが、普通は、宇宙のあらゆるものが互いに必要不可分な陰と陽の側面を持つという、中国の古代思想の重要概念をいう。例えば、太陽は陽で月は陰、+は陽で−は陰、体を温める食べ物は陽で体を冷やす食べ物は陰、といった具合。幼稚園児にも宇宙を組み立てられそうなわかりやすさとお手軽さが売り。
しかし陰陽道の専門家は、そんな単純な学説では権力者を言いくるめるのに不十分と気づいたのか、その後、陰と陽の組み合わせを複雑にしたり、分類の下位カテゴリーをもっと増やしたりして、陰陽五行説、易経、風水などに発展分岐し、収拾がつかなくなった。
日本でもこの説に基づいた信仰や占いが現代にも生きており、あまり複雑なことを覚えるのが苦手な教祖や占い師の自家薬籠中の物となっている。(CAS)