カテゴリー:住文化、住環境、建築、インテリア、調度品
居間とは、(なにかが)居る部屋という意味だが、ネコやゴキブリや幽霊が居る部屋ではなく(そういうものが居たとしても)、家族がふだん居る(集う)部屋をいい、アメリカのliving room(日本では「リビング」と略す)に当たる。
伝統的な日本の住宅では、居間は食事室を兼ね、ときには寝室にもなったりとフレキシブルに使用された。しかし、庶民の住宅にも西洋式が取りいれられるようになった1950年代から、食事をする部屋で就寝するのは不衛生だとして(土足で歩き回る食事室の方がよほど不衛生だと思うが)、機能別に部屋が割り当てられるようになり現代に至っている。
このように居間は「家族が集う」という役割を持った部屋であり、しばらく前までテレビが家族の絆をつなぎとめていたが、現在はその神通力も薄れ、居間は家族が「居てもらうつもりで造った」だから「居てほしい」というややさみしい部屋になっている。(CAS)