明日(あした、あす)とは、本日の翌日をいうが、「あした」「あす」は「朝」とも書き、本来はまさに「朝」という意味。日本では、日の入りを一日の始まりと考えていた時代があり、そのころの「朝(あした、あす)」は、現代から見れば翌日の夜明けということになる。同じように「夕べ」という言葉そのものは「夕方ころ」を意味するが、現在では「昨日の晩」をさすことが多い。これも昔の一日を始まりである「夕べ」が、現代から見れば「昨日の晩」となることからきている。いずれにしてもややこしい話であるが、そんな事情も知らない多くの日本人は、朝の意味のあしたを翌日、夕の意味のゆうべを昨晩として、何の不思議もなく使っている。(CAS)