圧巻とは、最もすぐれていることをいうが、「圧」という字が使われているせいか、「圧巻の勝利」とか「圧巻の眺めだ」などと、他を圧するほどに強かったり、優れていたりするものをいうのにむやみに使う傾向がある。この言葉はその昔、中国の官吏登用試験で、最高点の答案(=巻)を他の答案の上に乗せたところから、他を上から押さえる(圧する)答案だというところから生まれたのだという。したがって、確かに「圧巻」は最高の強さや優秀さを表すのに用いて間違いはないのだが、圧倒的に強いチャンピオンの試合などを「圧巻ですね」などとほめるには(もとはといえばただの紙切れをいったものであるから)迫力にかけるといわざるをえない。(CAS)