アメリカンコーヒーとは、アメリカっぽいコーヒーという意味の和製英語で、コーヒーを湯で薄めたもの。または、「アメリカン専用にローストしたコーヒー豆で抽出したもので湯で薄めたものではありません」といって日本の喫茶店で出される湯で薄められたコーヒー。その昔、アメリカ人が日常的に飲んでいたコーヒーが、ローストが浅く薄めに作られていたところからこの名があるらしいが、いまやアメリカンなコーヒーといえば、こってりローストしたこげ臭いコーヒーを指すようになったので、「アメリカンコーヒー」も古語の部類に入ってもよいのではないかと思われる。とはいえ、「湯で薄めたコーヒー」に適当な名称が見あたらないせいか、いまでもコーヒーショップでは「アメリカン」で通っている。
アメリカンコーヒーの影響で、水で薄めた酒、あっさりした性格、中身の薄い企画書などについても「アメリカン」と呼ばれた時代があったが、こってりと脂ぎったアメリカ人というイメージが定着したいまはこの比喩も過去のものになろうとしている。(CAS)