あいつとは、三遊亭小遊三師によると、いくらシカトしてもコンパの一次会から三次会までしっかりついてきて場をしらけさす迷惑な人物のこと。
あいつは「あやつ」が転じたもので、「あの」「あれ」「あそこ」のように遠くのものを指し示す指示代名詞「あ」と、「奴(やっこ)」から来ているのではないかといわれる三人称代名詞「やつ(奴)」からなり、会話の中で、お互いに共通認識のある人物について、その人物が近くにいない場合に「あいつはいいやつだから」などと用いる。その人物との距離感は、「こいつ」「そいつ」「あいつ」の順に遠くなり、要するに、その人物について怒りを感じているようなとき、「こいつ」だったら、「こいつが悪い」ととっつかまえてぶんなぐることができるが、「そいつ」では、「そいつをつかまえろ」と追いかけても逃げられる可能性があり、「あいつ」では、「あいつ、こんど会ったらただじゃおかない」といまは我慢するしかないのである。(CAS)
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